2012年12月05日

空気を撮る(1) 東京の青空の下

 デジカメ写真で納得いかないのは、空が空らしく撮れないところ。「蒼い空」や「紺碧の空」など、日本語には空の色彩を表現するのにいろいろな言葉があるのに、デジカメの場合は「青っぽい空間」だけ。ごく稀に「真っ青な空」が写っていたりすると、とても驚き。そこで、気象条件によって大きく変化する「空気の表情や色」を撮るための方法を考えてみましょう。

<青を青らしく撮る>
 デジカメが計測した露出より「ちょっとだけアンダー気味」にするのがポイント。つまり、露出補正をマイナス(絞る)にするのが秘訣。光の状況によって適正なマイナス量は異なるので、「−1/3EV」から「−1EV」まで、設定を変えて撮ってみましょう。

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東京都写真美術館(渋谷区恵比寿)。オートで撮ると「露出F6.5 シャッタースピード1/250秒」だったのですが、露出補正をして[−1/3EV]で撮影。つまり、ちょっとアンダー気味で撮影した結果、空が空らしく写りました。

<理想の青>
 ひと頃、ファッション界でゴロワーズブルーが流行ったことがありました。それは、フランスのタバコ「GAULOISES」のパッケージの色。映画のなかでジャン・ギャバンやジャン・ポール・ベルモンドが吸っていたタバコなので、ご存知の方も多いはず。できれば、空の色はゴロワーズブルーがいい。

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「GAULOISES」ではなく、同じタバコ会社から出ている「GITANES(ジタン)」です。「GAULOISES」とくらべ濃い青ですが、参考にしたい青色です。ちなみに、コレを吸ってもジャン・ギャバン風にはなれません。

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2012年12月06日

空気を撮る(2) アンダーの真実

 デジカメ背部にある液晶モニタの見え方に要注意。青空をオートで撮ると、液晶モニタでは「見事な青空」に見えるのに、パソコンに転送してからディスプレイで見ると、いちじるしく緊張感に欠けた薄い水色の空だったりすることがあるからです。つまり液晶モニタに映し出される画像は、色彩が強調され、さらに多少のボケでもキレイに再生してしまう傾向があるので、愛用しているデジカメの特性を知っておくことは肝心です。

 実際、「見事な空」が撮れたと思っても、色の成分を分析すると「まんべんなく色が分布」しているのではなく「異様に白の成分が多い」から万事休す。色の成分に偏りがあると、フォトレタッチソフトでも修正しきれません。逆に「ちょっとアンダー気味の写真」の場合、まんべんなく色の成分が含まれているので、臨機応変な修正が可能です。

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「絞りF6.5 シャッタースピード1/250秒」のオートで撮影。青々とした空にしたかったのですが、フォトレタッチソフトでの修正はできませんでした。空を青くすると、街並みが暗くなってしまうからです。

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オートで撮った画像の「色の成分分布」。とても偏っています。まんべんなく色の成分が分布していないと、修正作業はとてもむずかしくなります。

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同じ場所で「絞りF6.5 シャッタースピード1/500秒」で撮影。つまり、シャッタースピードを1段上げて撮影したもの。全体にアンダー気味ではあるものの、空の色は理想的です。

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「色の成分分布」は、ほぼまんべんな状態。これだけ色がのっていると、さまざまな修正を簡単に施すことが可能です。

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2012年12月07日

空気を撮る(3) 青の正体

 冬は寒いけれど、見上げると青空。気分がいいですね。普段の何気ない光景も青空バックとなっただけで、一気に力強いイキイキ写真に大変身です。シャッターボタンを押すだけで傑作・快作が撮れてしまうから、見逃す手はありません。

<空の青>
 空が青く見えるのは、太陽光の中にある青い光が大気で散乱して地上に届くから。太陽光をプリズムを通すと、光の波長が短い順に「紫」「藍(あい)」「青」「緑」「黄」「橙(だいだい)」「赤」の7色に別れるので、空一面が虹色になってもよさそうなものですが、青色だけというのは不思議。でも光の性質を知ると納得です。

 紫色のように光の波長が短いと障害物に弱くなるので、大気で反射・拡散してしまって地上に届きません。逆に波長が長い赤色は、大気の影響を受けにくいので地上に届いてはいるのですが光自体が弱い・・・ということで、中庸の青色だけが一人勝ちしてしまうというわけです。

<夏と冬>
 同じ青空でも夏と冬では青味が異なるのは、波長の問題ではなく、大気中に浮遊する水滴やホコリが原因。障害物が大きくなり量が増えてくると、前述のすべての光の色が散乱して混じり合いを始めるので、青味がどんどん減っていくことになります。夏のどんよりとした空は水蒸気が多いので白っぽい空になってしまうし、反対に冬の乾燥した空は障害物が少なくなって青味が増すというわけです。

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JR横浜駅から横浜港に行く水上バスからマンション群を狙ってみました。露出補正量はEV−0.3。EV−0.7にすると、さらに紺碧具合が増すと思われますが、建物が暗くなってしまいます。

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JR蒲田駅の操作場に咲いていた白い花。白い被写体をスポット測光するとプログラムAEは適正露出よりアンダー気味に撮ろうとするので、「露出補正量」はゼロにしてデジカメまかせで撮ってみました。結果、露出補正量をEV−0.7にしたときのような写真になりました。

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2012年12月08日

空気を撮る(4) 青の成分分布

 簡単に青空を撮ることができる冬ですが、注意しなければならないことがあります。それは、青色の分布状態です。残念ながら空一面の青色とはならず、地上付近の空は灰色がかった色になることが多く、とくにズームを使って水平方向に向けて撮ると、まるで曇天のような写真になってしまうことがあるからです。

 原因は、太陽光が大気の中を通る距離に関係しています。地上と直角に近い状態で入ってくる太陽光の場合は、最短距離となり障害物が少ないので青色が強くなりますが、斜めに近い状態となると大気の中を通過する時間が長くなるため、大気中の微粒子などと衝突して散乱することが多くなって赤の光に負けてしまうからです。とくに大気の中に煤煙などが含まれている地表付近は、赤の光の勢力が増してしまうというわけです。

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横浜港「氷川丸」の前。目線の先には青空が広がっていますが、地平線に近くなるに従って灰色っぽくなっています。どんなに晴天でも、この現象は避けることができません。

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上の写真から、空の部分だけを切り抜いてみました。同じ空でも、地上から頭上に向かって灰色から青色まで、見事なグラデーションです。もちろん、地上に近い部分を避けて撮影すれば空一面の青空となるのですが、遠くの船舶などをズーム望遠で撮りたいときなどは、背景は灰色になってしまいます。

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海上保安庁の船舶。JP横浜駅と横浜港を結ぶ水上バスから望遠ズームで狙ってみました。ほぼ水平なので空の色は灰色。まるで曇り空のように見えますが、上の写真を撮った日と同じです。

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2012年12月09日

空気を撮る(5) 朝、昼、夕の空

 冬の空でも、時間帯によってさまざまな顔を見せてくれます。コバルトブルーの空を撮りたいときは、夜明け前の一瞬。真っ青な空を撮りたいときは、お昼ごろ。茜空を撮りたいときは夕暮れ前、といった具合です。

 できれば、ご自宅の窓やベランダなどから、定点撮影をしてみるといいですね。

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夜明け直後の午前6時20分ごろ。多摩川(大田区)から羽田空港方面にレンズを向けて撮影。水平線近くが青黒く見えますが、雲ではなく地球の影が見える「地球影」だと思われます。これも、空気が澄んでいる冬の夜明けごろに見ることができる現象です。

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同じ場所から、午後2時40分ごろの光景。さすがに地平線近くは灰色っぽくなっていますが、建物の陰にかくれてしまている部分が多く、全体的にはゴロワーズブルーに近い青空です。

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同じ場所から、午後4時20分ごろの光景。地平線に近いところから赤味を増してきています。建物は完全に赤い夕日に包まれ、まるで夕刻のエアーズロックのような感じ。上部の空にも赤味が加わり、あまりきれいな青空とはいえなくなっています。

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